車は「買うときの値段」より「持ち続けるお金」のほうが家計に効いてきます。この記事では、税金・車検・保険・駐車場・ガソリンを一つずつ年額に直して、普通車と軽でいくらかかるのかを計算します。そのうえで、削れる費目・削れない費目の線引きと、手放すかどうかを決めるための判断材料までまとめました。
さきぼんやり「けっこうかかるよね」で済ませていた費目を、いちど全部並べてみます。
車の維持費の内訳
維持費は大きく5つに分かれます。毎年払うもの(自動車税・任意保険・駐車場)、2年に一度まとめて払うもの(車検)、そして使った分だけ増えるもの(ガソリン・消耗品)です。性格が違うので、まずは全部「年いくら」に揃えるところから始めます。
税金と車検
自動車税(種別割)は排気量で決まります。2026年度の標準税率で、1,000cc超1,500cc以下が30,500円、1,500cc超2,000cc以下が36,000円、軽自動車税は10,800円です。ここは自分で下げようがない金額で、車を選んだ時点で決まってしまいます。新規登録から13年を超えたガソリン車はおおむね15%重くなるので、古い車に乗り続けている場合は納税通知書の金額を確認してみてください。
車検は2年に一度です。中身は「法定費用」と「整備費用」に分かれていて、法定費用のほうは自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料の合計。重量1.5t以下の普通車なら重量税が24,600円(2年分・エコカー減税なし)、自賠責保険料が24か月契約で17,650円、検査手数料が2,000円前後です。
この自賠責保険料は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約から値上げになり、自家用乗用車の24か月契約は18,560円になります([JAF Mate Online](https://jafmate.jp/car/traffic_topics_20260702_1199387.html)ほか報道による)。13年ぶりの改定で、2年で約900円の増加です。金額としては大きくないものの、車検の見積もりが去年の記憶より高く出る理由のひとつになります。
整備費用は業者によって差が出ます。ディーラーで5〜10万円、車検専門店やガソリンスタンドで3〜6万円あたりが目安で、交換部品が増えればそのぶん上乗せです。つまり車検は2年で10〜13万円、年に直すと5〜6.5万円という位置づけになります。
保険と駐車場
任意保険は年齢・等級・車種・補償内容で大きく変わります。30〜50代で等級が進んでいれば年4〜7万円台に収まることが多く、20代や等級が低い場合はここから跳ね上がります。同じ補償内容でも会社によって数万円違うことがあるので、更新のたびに他社の見積もりを取る価値がある費目です。
駐車場代は地域差がいちばん大きいところです。持ち家で敷地内に停められるなら0円、地方の月極なら3,000〜8,000円、都市部なら2万円を超えることも珍しくありません。家計にとっては家賃と同じ性質の固定費で、年間で見ると10万円前後が駐車場だけで消えている家庭も多いはずです。
ガソリンと消耗品
ガソリン代は「年間走行距離 ÷ 燃費 × 単価」で出ます。2026年8月時点のレギュラーガソリンの全国平均は170円前後で推移しています([グーネット](https://www.goo-net.com/magazine/money/car-money/288731)の週次集計より)。補助の状況で数円単位の上下がある費目なので、家計簿では少し多めに見積もっておくと崩れにくくなります。
年6,000km走って燃費12km/Lなら、500L×170円で年85,000円。同じ距離を燃費20km/Lの軽で走れば300L×170円で51,000円です。走り方より、車の燃費と走行距離のほうが効いてきます。
忘れやすいのが消耗品です。タイヤは4本で3〜8万円かかり3〜5年ごと、バッテリーは1〜2万円で3〜4年ごと、エンジンオイルは1回5,000円前後で年1〜2回。降雪地域ならスタッドレスも要ります。ならすと年2〜4万円は消耗品に消えると見ておくと、急な出費に驚かずに済みます。


年間と月あたりに直すといくら?
ここまでを1台分の年額にまとめます。持ち家の駐車場代を月8,000円、年間走行6,000kmとして計算した表です。
| 費目 | 普通車(2,000cc以下) | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 自動車税・軽自動車税 | 36,000円 | 10,800円 |
| 車検(2年分を1年に按分) | 55,000円 | 40,000円 |
| 任意保険 | 60,000円 | 50,000円 |
| 駐車場(月8,000円) | 96,000円 | 96,000円 |
| ガソリン | 85,000円 | 51,000円 |
| 消耗品・オイル交換など | 30,000円 | 20,000円 |
| 合計 | 約362,000円 | 約268,000円 |
| 月あたり | 約30,000円 | 約22,000円 |
普通車で月3万円、軽で月2.2万円。これに車両の購入費やローン、車両保険を足すと、実際の負担はさらに増えます。200万円の車を10年乗るなら車両代だけで年20万円ですから、車を1台持つというのは月4〜5万円規模の固定費を抱えることだと分かります。
維持費だけで月3万円。ここに車両代を足した金額が、車を持つ本当のコストです。
数字が自分の家と合っているか確かめたいときは、駐車場代とガソリン代だけ自分の実額に差し替えてみてください。この2つの振れ幅がいちばん大きいので、そこさえ直せば表の合計はかなり近づきます。


維持費が馬鹿らしいと感じたとき
週末しか乗らないのに月3万円。そう並べると「これ、要るのかな」と思う瞬間があります。ただ、感情のまま手放すと後で困ることもあるので、判断はいちど数字に置き換えてから決めましょう。
手放すと本当に得になる家
維持費の年36万円を、そのまま他の移動手段の予算に置き換えて考えます。タクシーを1回2,000円とすれば年180回、月15回乗れる計算。レンタカーやカーシェアを1日8,000円とすれば年45日、月に3〜4回使えます。
ですから、車に乗るのが月4回以下で、駅やスーパーが徒歩圏にあるなら、手放したほうが家計としては軽くなります。とくに都市部で駐車場代が月2万円を超えている場合は差が大きく、駐車場代だけでカーシェアがかなり賄えます。通勤に使っていない、送迎の予定が決まっている、大きな買い物はネットスーパーで済む——この3つが揃う家庭は、手放す側の候補です。
乗らない期間もゼロ円。維持費が「使った分だけ」に変わります。
手放せない家の削り方
一方で、通勤に使う、公共交通が1時間に1本、子どもの習い事や部活の送迎がある、といった家庭では車が生活の土台になっています。わが家も中3の息子の部活と、小3の娘の習い事の送迎で週に何度も出るので、なくす選択肢はありません。この場合は、費目ごとに削れるところを拾っていきます。
効果が大きい順に言うと、まず任意保険です。補償内容を同じにしたまま複数社の見積もりを比べるだけで、年に1〜3万円変わることがあります。次に車検先の見直し。ディーラーから車検専門店に替えると整備費用が2〜4万円下がるケースがあり、2年に一度なので手間のわりに効きます。3つめが駐車場で、少し歩く場所に替えるだけで月2,000〜5,000円下がることも。
逆に、あまり効かないのが給油のたびに数円安いスタンドを探す行動です。50L入れて1L3円安くても150円。手間に対して見合いません。それより、次の買い替えで軽やハイブリッドを選ぶほうが、年3万円単位で変わります。
削ってはいけない費目
タイヤの溝、ブレーキ、オイル交換の3つは、節約対象にしないでください。整備を先送りして事故や大きな故障につながれば、浮いた数万円では取り返せません。
13年を超えた車は税金が重くなり、修理も増えます。維持費の総額で買い替えと比べてみてください。
車を持つかどうかは固定費全体で決める
車の維持費だけを取り出して「高い・安い」を判断すると、たいてい答えが出ません。月3万円が重いかどうかは、家賃・通信費・電気代・保険を含めた固定費全体のなかでの位置によって変わるからです。
たとえば車を手放して月3万円浮いても、そのぶん通勤の定期代とタクシー代で月1.5万円かかるなら、実際の効果は月1.5万円。同じ1.5万円なら、通信費とサブスクの見直しで痛みなく作れる家庭もあります。順番としては、生活が変わらない費目(通信・電気・使っていないサブスク)から先に手をつけて、それでも足りないときに車の是非を考えるほうが、暮らしの満足度を落とさずに済みます。
固定費をどの順番で見直すかは固定費見直しの手順をまとめた記事で整理していますので、車以外の費目も含めて全体像をつかみたい方はあわせて読んでみてくださいね。
まとめ|金額を出してから持つか決める
普通車で年36万円、軽で年27万円。これが駐車場代を月8,000円、年6,000km走る前提での維持費の目安です。まずは納税通知書・車検の明細・保険証券・駐車場の契約書を並べて、自分の家の年額を出してみてください。数字が出れば、続けるか手放すかの判断はずっとしやすくなります。
削るなら任意保険と車検先の見直しから。この2つで年3〜5万円変わることがあり、生活の不便さはほぼゼロです。逆にタイヤやブレーキの整備は削らないでください。



うちは送迎で手放せないぶん、保険の見積もりを毎年取り直すのが恒例行事になりました。1時間で数万円変わるなら、やらない手はありません。
納税通知書・車検明細・保険証券・駐車場代の4つを集めて、年額を合計する。今日できるのはここまでで十分です。
税額や自賠責保険料、料金プランは改定されることがあります。実際の手続きの前に、お住まいの自治体や契約先の公式サイトで最新の金額をご確認ください。








