ガス代の節約|お風呂とキッチンで効くところ

湯気の立つ浴槽と半分閉じた木製のふた

ガス代を下げたいとき、コンロの火加減から手をつける方が多いのですが、実は効き目が大きいのはお風呂のほうです。この記事では、追い焚きとシャワーのどちらを見直すと金額が動くのか、キッチンで意味のある工夫はどれか、そして都市ガスとプロパンで打ち手がどう変わるのかを整理します。わが家(夫と中学3年の息子、小学3年の娘の4人家族)の請求額も交えてお話ししますね。

さき

まずは「どこにガスが消えているのか」から見ていきましょう。

目次

ガス代の大半はお風呂で使われている

家庭で使うガスの用途は、給湯・調理・暖房の3つにほぼ集約されます。このうち圧倒的に量が多いのが給湯、つまりお湯をつくることです。資源エネルギー庁の統計でも、給湯は家庭のエネルギー消費全体の3割弱を占める大きな用途で、ガスに限って言えば使っているガスの大半はお湯づくりに回っています。ガスコンロの火は、時間にすれば1日せいぜい30分から1時間ほど。一方でお風呂は、湯船200リットル近くを水道水から40℃まで温める作業を毎日繰り返しています。

わが家は都市ガスで、夏場は月3,000円台、冬場は8,000円を超えます。この差は料理の量ではなく、水温の差です。冬は水道水が10℃を下回るので、同じ40℃のお湯を作るのに夏の倍近い熱量が要ります。ガス代が冬に跳ね上がるのは使い方が悪くなったからではなく、水が冷たいから——ここを知っておくと、冬の請求書に必要以上に落ち込まずに済みます。

ガス代を下げたいなら、コンロより先に「お湯の量」と「温め直しの回数」を見直すのが近道です。

止水ボタン付きの節水シャワーヘッドからお湯が出ている様子

お風呂で効く工夫

お風呂でガスを使う場面は、湯船を沸かす・保温する・シャワーを浴びるの3つです。順番に見ていくと、自分の家でどこが緩んでいるかが見えてきます。

追い焚きと保温はどちらが安い?

結論から言うと、どちらも避けられるならその方が安く、避けられないなら短時間の保温のほうが有利です。追い焚きは冷めきったお湯を沸かし直す作業なので、冷めた分だけまるごとガスを使います。資源エネルギー庁の試算では、2時間放置したお湯を1回追い焚きするのをやめると、年間で約6,190円のガス代が浮くとされています(ガス料金単価の前提によって金額は変わります)。1日あたり17円ほどですが、毎日のことなので積み上がります。

保温機能は設定温度を保つために弱く沸かし続ける仕組みで、家族が続けて入るなら追い焚きより無駄が少なくなります。ただし最後の1人が入ってからも保温が回り続けていると、ただお湯を温めているだけになってしまいます。

つまり本当に効くのは、機能の選択よりも家族がなるべく間を空けずに入ることです。とはいえ、うちも部活帰りの息子が遅くなる日はどうにもなりません。そういう日は割り切って、浴槽のふたをきちんと閉め、バスタオルを1枚ふたの上にかけておく。これだけで湯温の下がり方が変わり、追い焚きの時間が短くなります。全員バラバラの日だけの応急処置と思って使ってみてください。

浴室の給湯リモコンは、入浴が終わったら電源オフに。つけっぱなしだと待機時のガスや電気がじわじわ効いてきます。

シャワーの時間と水量

シャワーは1分でおよそ12リットルのお湯が流れます。資源エネルギー庁の試算では、シャワーの使用を1日1分短くすると年間のガスが約12.78立方メートル減り、金額にして約2,070円。これに水道代の約1,140円が加わるので、1分の短縮で年間3,000円前後という計算です。家族4人ならその人数分だけ効いてきます。

ただ「1分短くしよう」と声をかけても、思春期の子どもには届きません。わが家で実際に変わったのは、シャワーヘッドを節水タイプに替えてからです。手元で止められるボタンが付いているものにしたら、髪を洗っている間は自然と止まるようになりました。行動を変えるより、道具で勝手に減る形にするほうが確実です。

湯船とシャワーのどちらが安いかは、家族の人数と入り方で答えが変わります。この比較はお風呂の使い方全体に関わるので、シャワーだけと湯船、どちらが安いかを比べた記事で詳しく整理しています。一人暮らしの方は特に、読んでから判断すると迷いません。

ふたをした鍋を中火のガスコンロで加熱している様子

キッチンで効く工夫

キッチンのガスは、お風呂に比べれば使用量そのものが小さい場所です。同じ資源エネルギー庁の試算だと、コンロの炎を強火から中火(鍋底からはみ出さない大きさ)にして浮くのは年間約380円。正直、これだけを頑張っても家計は変わりません。

キッチンで金額が動くのは、コンロよりも給湯のほうです。食器洗いのお湯の温度を40℃から38℃に下げるだけで、年間で約1,430円の削減になります。コンロの火加減の3倍以上です。夏場は水で洗える日も多いので、給湯器のリモコンの設定温度を一段下げておくと、意識しなくても効きます。うちは冬は40℃、それ以外の季節は37〜38℃にしていて、油物の日だけ上げ直しています。

調理そのものでは、少量のお湯を沸かすときに電気ケトルを使う、下ゆでを電子レンジに任せる、鍋にふたをする、といったところが定番です。どれも効果は小さいので、「やらないと損」ではなく「ついでにやる」くらいの位置づけで十分です。鍋底の水滴を拭いてから火にかける、コンロのバーナー部分の目詰まりを掃除して炎を安定させる。この2つは手間がほぼゼロなので、ついででやる価値があります。

まとめて作る・余熱を使う調理は、ガス代より先に自分の時間が浮きます。

毎回の火加減を気にしすぎると、料理そのものが億劫になります。ここは頑張りどころではありません。

都市ガスとプロパンで事情が違う

同じ量のガスを使っていても、都市ガスとプロパンガス(LPガス)では請求額が大きく変わります。プロパンは1立方メートルあたりの熱量が都市ガスの約2倍あるため使用量の数字は少なく出ますが、単価が高く設定されていることが多く、結果として支払額は都市ガスより高くなるのが一般的です。

大きな違いは価格の決まり方です。都市ガスは料金表が公開されていますが、プロパンは自由料金で、事業者ごと・住居ごとに単価が異なります。賃貸の場合は大家さんや管理会社が事業者を決めているため、入居者が勝手に変えることはできません。

ここが分かれ目で、プロパンの賃貸に住んでいる方は「使う量を減らす」以外の選択肢が基本的にありません。だからこそ、お風呂の使い方の見直しが持家の人以上に効きます。逆に持家でプロパンをお使いなら、まず検針票で1立方メートルあたりの単価を確認してみてください。近隣の相場より明らかに高い場合は、事業者との交渉や切り替えという道が残っています。

検針票で最初に見るところ

使用量(立方メートル)と請求額を、使用量で割って1立方メートルあたりの単価を出す。この数字が分かると、他社と比べたときに損得がはっきりします。基本料金が別建てになっている場合は、その分も差し引いて計算してください。

料金プランの見直しは最後でいい

ガス会社の比較サイトを見ると「乗り換えで年間◯千円お得」という数字が並びます。ただ、都市ガスの自由化で提示される割引率は数パーセント程度のことが多く、月6,000円のガス代なら月に数百円という規模感です。手続きの手間を考えると、まずお風呂の使い方を変えたほうが、早く・確実に下がります

順番としては、追い焚きとシャワーを見直して2〜3か月ぶんの請求額の変化を確かめ、それでも高いと感じたときにプランを見直す。この順番なら、乗り換え後に「思ったより下がらなかった」となる可能性も減ります。電気とセットにすると割引になる契約もありますが、セット割の条件や解約時の扱いは会社ごとに違うので、申し込み前に条件表を確認してください。

電気・通信も含めた固定費全体をどの順番で手をつけるかは、固定費見直しの進め方をまとめた記事に整理してあります。ガス単体で悩むより、まとめて片づけたほうが結局は早く終わります。

まとめ|お風呂の使い方だけで結果は変わる

ガス代の節約は、やることを増やすほど成果が出るわけではありません。使っているガスの大半がお湯づくりに回っている以上、湯船を沸かし直す回数とシャワーの時間、この2つを押さえれば大半は片づきます。キッチンの火加減や料金プランは、その後で構いません。

わが家がやっているのは、家族の入浴をなるべく続けること、ふたをこまめに閉めること、シャワーヘッドを止水ボタン付きに替えたこと、そして給湯温度を季節で一段変えること。この4つだけです。冬の請求額が高いのは相変わらずですが、去年より上がらなくなったので、それで十分だと思っています。今日はまず、給湯リモコンの設定温度を見るところから始めてみてくださいね。

さき

ふたを閉めるのを家族が勝手にやってくれるようになったのが、いちばん嬉しい変化でした。

シャワーだけで済ませればガス代は安くなりますか?

一人暮らしや2人暮らしなら安くなることが多いです。湯船1回分のお湯は200リットル前後で、シャワー約17分ぶんに相当します。ただし4人家族が全員15分ずつ浴びると湯船より高くつくので、人数が多い家庭では湯船を張って続けて入るほうが有利です。

給湯器の設定温度は何度がいいですか?

お風呂は40℃前後、台所は季節に応じて37〜40℃を目安にすると無駄が出にくくなります。高めに設定して水で薄めて使うのがいちばんもったいない使い方なので、蛇口側で調整しているなら給湯器側の温度を下げてみてください。

浴槽のふたは本当に効果がありますか?

あります。湯面から逃げる熱が湯温低下の大きな原因なので、ふたを閉めておくと追い焚きに必要な時間が短くなります。家族の入浴時間が空く日ほど差が出ます。

本文中のガス削減額は資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」の試算に基づくもので、ガス料金の単価によって金額は変わります。料金プランや契約条件は改定されることがあるため、切り替えを検討する際は各社の公式サイトで最新の内容をご確認ください(2026年8月時点)。

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