家計簿の項目の決め方|ざっくり3つから始める

項目を書き込んだ手書きの家計簿ノート

家計簿を始めようとして、最初につまずくのが「項目をどう分けるか」です。ノートの1ページ目に費目を書き出したまま、何日も進まなかった経験のある方は多いと思います。この記事では、まず3つに分けるだけで十分に機能する理由と、日用品や交際費など迷いやすい費目の置き場所、途中で項目を変えたくなったときの対処までをまとめます。わが家(夫・中3の息子・小3の娘の4人家族)で実際に使っている分け方も一緒にお見せしますね。

さき

私も最初は20個くらい項目を作って、1週間で放り出しました。

目次

項目は細かいほどいい?

結論から言うと、家計簿の項目は細かいほど良いわけではありません。むしろ最初は粗いほうが続きます。

項目を細かくすると、レシート1枚を記入するのに手が止まります。スーパーで買った食パンとラップとシャンプーを「食費」「日用品」「日用品」に分けるには、レシートを見ながら金額を電卓で足し直す作業が必要です。この一手間が毎日積み重なると、家計簿は「面倒な宿題」になります。家計簿が続かない原因の多くは、意志の弱さではなく項目の細かさです。

もうひとつ、細かい項目には「見返しても何も分からない」という落とし穴があります。仮に「調味料費」を独立させて月に980円と出たとして、その数字から次の行動は生まれません。減らせるかどうかを判断できる大きさになっていない金額は、記録しても使い道がないのです。

家計簿の目的は、きれいな記録を残すことではなく、どこにお金が偏っているかを見つけて手を打つことです。そのためには「食費が月に7万円台」「水道光熱費が2万円台」くらいの粒度で十分に判断できます。

項目は「減らす手が打てる単位」まで大きくまとめるのが、続けるコツです。

固定費・変動費・特別費に分けた3つの封筒

まずは3つに分ける

最初に決めるのは、細かい費目ではなく大きな3つの箱です。固定費・変動費・特別費。この3つに分けておくと、あとから費目を足しても構造が崩れません。

なぜ3つかというと、お金の減り方と、減らすときのやり方がまったく違うからです。固定費は一度手を入れれば毎月効く、変動費は毎月の意識で少しずつ動く、特別費は事前に積んでおかないと家計を壊す。性質が違うものを同じ袋に入れておくと、「今月は使いすぎた」の原因がいつまでも分かりません。

固定費

毎月ほぼ同じ額が出ていく支出です。家賃や住宅ローン、水道光熱費、通信費、保険料、サブスク、学校の給食費や習い事の月謝などがここに入ります。

厳密に言えば電気代は季節で変わるので「固定」ではありませんが、家計簿の運用上は固定費に入れて構いません。契約や使い方を見直さないかぎり、自分の頑張りでは大きく動かない支出だからです。この「動かしにくいけれど、動かせば大きい」という性質が固定費のポイントになります。

わが家の固定費は、通信費を格安SIMに変えた月から毎月およそ6,000円下がりました。一度手続きをしただけで、以降は何もしなくても効き続けています。食費を毎日6,000円分がまんするのとは、労力がまるで違います。

変動費

月によって額が変わる支出です。食費、日用品費、被服費、レジャー費、交通費、医療費あたりが代表格になります。

変動費は「毎月の行動で動く」お金なので、家計簿で追いかける価値がいちばん大きい箱です。ただし、ここを細かく割りすぎると冒頭のとおり挫折します。最初は食費と日用品費、あとは「その他」でひとまとめにしておいて、金額が膨らんできた費目だけを独立させるやり方が続きます。

わが家は息子が中学に上がってから食費が伸びたので、食費だけを週ごとに区切って記録するようにしました。ほかの変動費は月合計しか見ていません。全部を同じ精度で追う必要はないんです。

特別費

毎月は出ないけれど、年に何回か必ず出ていく大きな支出です。固定資産税や自動車税、車検、火災保険や自動車保険の年払い、帰省の交通費、家電の買い替え、入学・進級にかかるお金、お年玉、誕生日やクリスマスのプレゼントなどが当てはまります。

この箱を作らないまま家計簿をつけると、「いつもは黒字なのに、なぜか貯金が増えない」という状態になります。3月の教科書代や12月のプレゼント代が、その月だけ突発的な赤字として処理されてしまうためです。特別費は年間で洗い出して12で割り、毎月の積み立てとして先に確保しておくと月の家計が安定します。

わが家は1月に紙1枚で年間の特別費を書き出しています。書き出してみると、思っていたより数が多くて驚くはずです。

特別費の洗い出し方と、月いくら積み立てればいいかの考え方はこちらの記事でくわしく解説しています。

食品と日用品が混ざったスーパーのレシート

迷いやすい費目の置き場所

3つの箱を決めても、実際にレシートを前にすると迷う支出が必ず出てきます。ここでの正解はひとつだけで、自分の中でルールを決めて、毎回同じ場所に入れることです。分類の正しさより一貫性のほうが、家計簿の役に立ちます。

日用品と食費の線引き

いちばん多い悩みが、スーパーのレシートに食品と洗剤が混ざっているケースです。分ける方法は大きく2つあります。

ひとつは「スーパーで買ったものは全部食費」と割り切る方法。レシートの合計金額をそのまま1行書くだけなので、記入が数秒で終わります。日用品をドラッグストアでまとめ買いする家庭なら、これで実態とほとんどズレません。

もうひとつは、金額の大きい日用品だけ分ける方法です。洗剤やトイレットペーパーなど数百円以上のものだけを日用品費に移し、ラップやゴミ袋のような細かいものは食費のままにします。わが家はこちらです。厳密ではありませんが、食費が動いた理由を追える程度の精度は保てます

ちなみに、ティッシュやおむつ、シャンプーのような消耗品は日用品費、化粧品や美容院代は「美容費」か、なければ被服費に寄せるのが一般的です。迷ったら、それを削るときに同じ気持ちで削れるものは同じ箱、と考えると決めやすくなりますよ。

交際費とレジャー費

この2つも境界があいまいです。おすすめは、相手がいるかどうかで切ることです。

ご祝儀や香典、友人との食事、手土産、職場の飲み会のように「他人との関係で発生するお金」は交際費。家族で行く映画や外食、旅行、テーマパークのように「自分たちが楽しむために使うお金」はレジャー費。この基準なら、ほとんどの支出は数秒で振り分けられます。

ただし、ご祝儀や香典は金額が大きく、月の家計を一気に崩します。年に何度あるか読めない支出なので、交際費のうち冠婚葬祭だけは特別費に置くのがおすすめです。わが家もそうしていて、月々の交際費は数千円で収まっています。

家族の外食を食費に入れるかレジャー費に入れるかは好みが分かれますが、外食を減らしたい時期なら分けたほうが効きます。「食費7万円」の中に外食が埋もれていると、どこを削ればいいのか見えなくなるからです。

一覧から自分に要るものだけ選ぶ

3つの箱と大まかなルールが決まったら、あとは自分の家に当てはまる費目だけを拾います。よく使われる項目を一覧にしておくので、ここから選んでみてください。全部を使う必要はまったくありません。

分類費目の例入れるもの
固定費住居費家賃、住宅ローン、管理費、駐車場代
固定費水道光熱費電気、ガス、水道
固定費通信費スマホ、ネット回線、サブスク
固定費保険料生命保険、医療保険、自動車保険の月払い分
固定費education給食費、学童、習い事の月謝、教材費
固定費こづかい夫婦それぞれの自由に使えるお金
変動費食費食料品、調味料、(外食を含めるかは自由)
変動費日用品費洗剤、ティッシュ、おむつ、消耗品
変動費交通費ガソリン代、電車賃、駐車料金
変動費医療費診察代、薬代、コンタクト
変動費被服・美容費衣類、靴、美容院、化粧品
変動費レジャー費外食、映画、お出かけ
変動費交際費手土産、飲み会、プレゼント
特別費税金固定資産税、自動車税
特別費車関連車検、タイヤ交換、自動車保険の年払い
特別費年間イベント帰省、旅行、お年玉、クリスマス
特別費学校関連入学準備、修学旅行積立、制服
特別費買い替え家電、家具、寝具

選ぶときの目安は、変動費の費目を6つ以内に抑えることです。記入のたびに「これはどれだろう」と考えずに済むのは、だいたいこのくらいまでです。車がなければ交通費は要りませんし、子どもがいなければ教育費の行は丸ごと消えます。使わない費目を最初から作らないほうが、ノートもアプリもすっきりします。

一人暮らしなら、固定費(家賃・水道光熱費・通信費)+食費+日用品+その他、の5〜6項目でも十分に回ります。

途中で項目を変えてもいい

ここが、家計簿でいちばん誤解されているところだと思います。項目は年度の途中で変えて構いません。むしろ、暮らしが変わったら変えるべきものです。

子どもが進学すれば教育費の中身が変わりますし、車を手放せば交通費の性格が変わります。わが家は娘が習い事を始めたタイミングで「教育費」を息子と娘で分けました。合計だけ見ていたときは何にいくらかかっているか分からなかったのですが、分けてみて、送迎のガソリン代まで含めると想像以上だったと気づきました。

ただし、変えるときは月の途中ではなく、月初か、できれば年の変わり目にそろえるようにしてください。月の途中で項目を組み替えると、その月だけ前月と比べられない数字になってしまいます。家計簿の価値は「先月と比べる」ところにあるので、比較の連続性は守っておきたいところです。

3か月は同じ項目で続ける

項目をいじりたくなるのは、たいてい記録がうまくいっていないときです。
ただ、家計の傾向が見えてくるのは3か月分たまってからになります。
不便を感じても、まずは3か月そのままで続けてから見直してみてください。

逆に、3か月つけてみて一度も使わなかった費目は削ってしまいましょう。空欄が並ぶ項目は、記入のたびに視線を止めるだけで役に立ちません。

項目が決まったら固定費を見に行く

項目が決まったら、家計簿を1か月分つけてみてください。そして最初に手を入れるのは、変動費ではなく固定費です。

理由ははっきりしていて、固定費は一度の手続きで効果が毎月続くからです。食費を月3,000円削るには毎日の買い物で我慢が必要ですが、通信費を3,000円下げれば、翌月からは何もしなくても同じ3,000円が残ります。年間では36,000円です。しかも、暮らしの満足度はほとんど下がりません。

まずは固定費の一覧を作って、金額の大きい順に上から3つだけ見直してみてください。

見直す順番としては、通信費、電気・ガス、保険、サブスクの順に効きやすい家庭が多いです。特にサブスクは、使っていないのに引き落とされ続けているものが見つかりやすい費目になります。

固定費に何が含まれるのか、どこから手をつければいいのかは固定費の一覧と見直しの優先順位にまとめています。項目を決めたあとの次の一歩として読んでみてください。

まとめ|分け方に正解はないので迷ったら粗くていい

家計簿の項目に、全世帯共通の正解はありません。家族構成も、お金の使い方も家ごとに違うからです。決めるべきなのは「正しい分類」ではなく、自分が毎回同じ場所に入れられるルールのほうです。

まずは固定費・変動費・特別費の3つに分けて、変動費の中身を6つ以内で選ぶ。迷う費目は自分でルールを決めて固定する。3か月続けて、合わなければ月初に組み替える。この流れなら、初日から手が止まることはないはずです。

そして項目が決まったら、削るのは変動費ではなく固定費から。ここを間違えなければ、がまんを増やさずに家計は軽くなっていきます。

さき

項目を20個から6個に減らしたら、私の家計簿は10年目に入りました。細かくするのをやめた日が転機だったと思っています。

Q: 家計簿の項目は5つと聞きましたが、3つでいいのですか?

A: 3つは「大きな箱」の数で、5つや10という数え方は「費目」の数です。段階が違うだけで矛盾しません。固定費・変動費・特別費の3つに分けたうえで、その中に食費や日用品費といった費目を置いていきます。費目の数は変動費6つ以内が目安です。

Q: 貯金は家計簿の項目に入れるべきですか?

A: 支出の項目としてではなく、収入から先に取り分けるものとして扱うほうが分かりやすくなります。特別費の積み立ても同じで、給料が入った時点で別口座や別の袋に移してしまい、残った額で1か月を回す形にすると、月末の残高に一喜一憂しなくて済みます。

Q: 手書きとアプリで項目の決め方は変わりますか?

A: 考え方は同じです。ただしアプリは初期状態で20以上の費目が用意されていることが多いので、使わない費目を非表示にする設定から始めてください。表示される選択肢が多いほど、入力時に迷う回数が増えます。

料金プランや制度の内容は変わることがあるため、固定費の見直しで具体的な金額を確認するときは、各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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