固定費の一覧と世帯別の平均額|まずは全部書き出すところから

固定費を書き出したノートと電卓が並んだ様子

固定費を見直したいと思っても、そもそも「うちの固定費って何がいくらあるんだっけ」がはっきりしていないと手のつけようがありません。この記事では、固定費にあたるものを住まい・通信・保険と車・サブスクの4つに分けて一覧にし、世帯別の支出の平均、手取りに対する割合の目安、そして書き出したあとに何から動けばいいのかまでをまとめます。わが家(夫婦+中学3年生と小学3年生)の実際の金額も並べていきます。

さき

まずは「削る」より前に「並べる」だけ、やってみましょう。

目次

固定費に入るものを全部書き出す

固定費は、使っても使わなくても毎月(あるいは毎年)ほぼ同じ額が出ていくお金です。食費や日用品のように「気をつければ今月から減らせるもの」ではない代わりに、一度下げると翌月以降ずっと効き続けるのが特徴です。だからこそ、抜けなく並べることに意味があります。

書き出すときのコツは、月払いのものだけを見ないこと。年払いの保険料や車検、年会費のように、口座からまとめて引き落とされるものほど記憶から抜け落ちます。年払いのものは12で割って「月あたりいくら」に直してから並べると、月払いのものと同じ土俵で比べられます。

住まいに関わるもの

家賃または住宅ローンの返済額が中心ですが、それ以外にも住まいに紐づく固定費はいくつもあります。賃貸なら管理費・共益費、駐車場代、更新料(2年ごとなら24で割る)、火災保険料。持ち家なら住宅ローンのほかに、固定資産税、管理費・修繕積立金(マンションの場合)、火災・地震保険料が加わります。

電気・ガス・水道は使い方で増減するので厳密には変動費ですが、基本料金の部分と契約プランは固定費と同じ性質です。書き出しの段階では「住まいに関わるもの」としてまとめて並べてしまって構いません。

通信に関わるもの

スマホの通信料は人数分あるので、家族の分をひとりずつ分けて書きます。加えて自宅の光回線やホームルーター、そこに付いている「ひかり電話」「サポートオプション」「セキュリティサービス」といった数百円のオプション。端末代の分割払いが残っている場合は、それも通信費の欄に入れておくと、いつ払い終わるのかが見えます。

わが家は大人2人と中学生の息子でスマホ3台、それに光回線という構成です。オプション込みで並べてみたら、月に一度も使っていない有料サポートが2つ残っていました。

保険と車

保険は、生命保険・医療保険・学資保険・火災保険・自動車保険と種類が多く、しかも年払いや半年払いが混ざりがちです。証券や引き落とし明細を見ながら、契約ごとに「誰の」「何の」「月あたりいくら」を書き出してください。ここは金額が大きい割に、内容を思い出せない契約が眠っていることが多い場所です。

車は、任意保険料に加えて自動車税、車検費用(2年ごとなら24で割る)、駐車場代、ローンがあれば返済額。ガソリン代は走った分だけなので変動費ですが、通勤で毎月ほぼ一定という家庭なら固定費側に置いたほうが実態に合います。

なお、保険の見直しは「解約すればお得」と単純に言えるものではありません。保障内容と家族構成の相性の話なので、契約の中身を変えるかどうかは保険会社の窓口やファイナンシャル・プランナーなど、契約内容を直接確認できる相手に相談してください。この記事でおすすめするのは、あくまで「今いくら払っているかを把握する」ところまでです。

サブスクと会費

動画配信、音楽配信、クラウドストレージ、アプリの課金、電子書籍の読み放題。それに加えてジムや習い事の月謝、新聞、生協やネットスーパーの会員費、クレジットカードの年会費、町内会費やPTA会費まで。1件あたりは数百円でも、件数が増えると無視できない額になります。

スマホの決済アプリ経由で契約したものは通帳に出てこないので、iPhoneなら「設定」→ Apple ID →「サブスクリプション」、Androidなら Google Play の「定期購入」から一覧を確認するのが早いです。契約中のサブスクの洗い出し手順はサブスクの契約一覧を確認する方法で詳しく書いています。

ここまでを一覧にすると、こんな形になります。年払いのものは月あたりに直した額を入れてください。

分類書き出す項目見落としやすいもの
住まい家賃/住宅ローン、管理費、駐車場代、電気、ガス、水道更新料、固定資産税、修繕積立金、火災保険
通信スマホ(人数分)、光回線・ホームルーター端末の分割残債、有料オプション、サポート料
保険生命、医療、学資、火災、自動車年払い・半年払いの契約
任意保険、駐車場代、ローン返済自動車税、車検積立、タイヤ交換
サブスク・会費動画・音楽配信、月謝、新聞、カード年会費アプリ内課金、無料期間が終わったもの
教育学校の引き落とし、塾、習い事教材費、部活の遠征費

通帳・クレジットカードの明細・スマホの決済アプリの3か所を見れば、固定費はほぼ拾いきれます。

光熱費や通信費の請求明細を重ねた様子

世帯別の平均額

「うちは多いのか少ないのか」を知りたいときに使えるのが、総務省の家計調査です。ただし家計調査で出てくるのは食費や教養娯楽費も含めた消費支出全体なので、固定費だけの平均額としてそのまま使えるわけではありません。全体の規模感をつかむ物差しとして見てください。

一人暮らし

家計調査の2025年平均で、単身の勤労者世帯の消費支出は月およそ19万1,500円、そのうち食料が約4万5,800円でした。持ち家の人も含めた平均なので、賃貸に住んでいる人の実感より住居費は低めに出ます。

一人暮らしの固定費の特徴は、家賃と通信費の比重が大きいことです。人数で割れる支出がないぶん、光回線とスマホを両方フルスペックで契約していると割高になりやすい。逆に言えば、住まいと通信の2か所を決め直すだけで全体が動きます。金額の目安や具体的な下げ方は一人暮らしの固定費の内訳と目安にまとめました。

二人以上の世帯

同じく家計調査の2025年平均では、二人以上の世帯の消費支出は月31万4,001円でした。世帯人数が増えると食費と教育費が伸びる一方、住居費や通信の基本部分は人数ほどには増えないため、一人あたりの負担は下がります。

参考までに、わが家(4人家族・持ち家)の固定費を並べるとこうなります。

項目月あたり
住宅ローン(管理費等含む)98,000円
電気・ガス・水道23,000円
通信(スマホ3台+光回線)12,200円
保険(生命・医療・火災)18,000円
車(任意保険・自動車税・車検積立)8,000円
サブスク・会費2,800円
教育(学校・塾・習い事)22,000円
合計184,000円

中学3年生の息子が塾に通い始めてから、教育費の欄が一気に伸びました。ここは削る場所ではないと決めているので、そのぶん通信とサブスクで受け止めています。わが家の場合はこの配分ですが、何を優先するかは家庭ごとに違って当然です。

手取りに対する割合で見る

金額そのものより判断しやすいのが、手取り収入に対する割合です。固定費の合計が手取りの何割かを出してみると、多いのか少ないのかがはっきりします。

目安として使われることが多いのは、住居費が手取りの25〜30%以内、水道光熱費が6%前後、通信費が5%以内、保険料が5%前後、車を持っているなら維持費で10%前後という配分です。合計するとおおむね手取りの5割前後で、残り5割を食費・日用品・教育費・貯蓄に振り分ける形になります。

固定費の合計が手取りの6割を超えていたら、金額の大小にかかわらず一度全体を組み直す価値があります。

ただ、この割合はあくまで物差しです。都市部で家賃が高い代わりに車を持たない家庭なら住居費の比率は上がりますし、地方で車が2台必要な家庭なら車の比率が上がります。大事なのは平均に合わせることではなく、比率が高い項目が「自分で選んだ結果」かどうかです。選んだ上で高いなら問題ありません。惰性で高いなら、そこが見直しどころです。

割合を出すときは額面ではなく手取りで計算してください

額面で計算すると、税金と社会保険料のぶんだけ実態より軽く見えてしまいます。給与明細の「差引支給額」を使いましょう。

サブスク契約一覧を表示したスマホとペン

書き出したあとの手順

一覧ができたら、次は並び替えです。難しく考えず、次の順番で進めてみてください。

STEP
金額の大きい順に並べ替える

効果は金額の大きさに比例します。住まい・車・保険・通信の順になる家庭が多いはずです。数百円のサブスクから手をつけたくなりますが、順番としては後です。

STEP
「手続き1回で下がるか」で印をつける

通信プランの変更、電力・ガス会社の切り替え、使っていないサブスクの解約は、手続き1回で終わって効果が続きます。一方、住み替えや車の手放しは生活そのものが変わるので別枠です。まずは前者だけに印をつけます。

STEP
印をつけたものを1か月に1つずつ処理する

まとめてやろうとすると必ず途中で止まります。今月は通信、来月は電気、というペースで十分です。処理した月と、下がった額を一覧にメモしておきます。

STEP
3か月後にもう一度合計を出す

下げたつもりでも、初月は日割りや解約金で相殺されることがあります。3か月後の請求額で確かめて、はじめて「下がった」と記録します。

大きい順に並べたときの上から3つに、たいてい見直しの余地が集まっています。順番の決め方や項目ごとの具体的な手続きは固定費見直しの進め方ガイドにまとめてあるので、書き出しが終わったらそちらへ進んでみてください。

ひとつだけ気をつけたいのは、下げること自体を目的にしないことです。息子の塾や、家族が楽しみにしている動画配信サービスまで削り始めると、家計は整っても暮らしがつまらなくなります。削るのは「払っていることを忘れていたもの」から。ここを守れば、固定費の見直しで生活の満足度が下がることはありません。

まとめ|全部並べると削る場所は自然に見える

固定費の見直しでいちばん時間がかかるのは、実は手続きではなく「何があるか分からない」状態です。住まい・通信・保険と車・サブスクの4分類で書き出して、年払いを12で割って、金額の大きい順に並べる。ここまでやれば、どこが重いのかは説明されなくても見えてきます。

わが家も、年に一度この一覧を作り直すのが恒例になりました。去年必要だったものが今年は要らなくなっていたり、子どもの成長で新しい項目が増えていたり、毎回どこかが変わっています。まずは紙でもスマホのメモでもいいので、思いつく限り並べるところから始めてみてくださいね。

さき

一覧を作った日の夜、夫と「これ、まだ払ってたんだね」と笑ってしまったのが今年一番の発見でした。

電気代や水道代は固定費と変動費のどちらに入れればいいですか?

厳密には使用量で変わる変動費ですが、契約プランと基本料金の部分は固定費と同じ性質です。書き出しの段階では固定費側に入れて、季節で大きく揺れる月があれば注記しておく形が扱いやすいです。

年払いの保険料や車検代はどう計上しますか?

年額を12で割って月あたりに直します。車検のように2年に1回のものは24で割ってください。こうすると月払いの項目と同じ基準で比べられ、大きい順に並べたときの順位が正しくなります。

固定費の一覧はどのくらいの頻度で作り直すべきですか?

年1回で十分です。加えて、引っ越し・転職・進学など生活が変わったタイミングでは、その都度作り直したほうが実態に合います。

本文中の平均額は総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年平均」に基づく2026年8月現在の情報です。各社の料金プランや制度は変更されることがあるため、契約内容は各事業者の公式サイトで確認してください。

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