シリーズ5回目は一人分の献立です。二人暮らしの回でも「量が半分でも食材は半分にならない」と書きましたが、一人分はその悩みがさらに濃くなります。この記事では、月曜から日曜までの具体的な献立と、作り置き2品・冷凍ごはんで回す型、そして自炊しない日をあらかじめ決めておく考え方をまとめます。1週間の食材費は4,300円ほどでした。
さき今回は「一人分をどう使い切るか」がテーマです。
一人分はどうしても割高になりやすい
一人暮らしの食費が思ったより下がらない理由は、食べる量ではなく買う単位にあります。鶏むね肉は2枚入り、豆腐は3丁パック、にんじんは3本袋——スーパーで安い形はたいてい「家族向けの単位」です。ここで小分けパックを選ぶとグラム単価が1.5倍近くになり、大袋を買えば後半に使い切れずに傷ませる。一人分の食費でいちばん重いのは、食べた分ではなく捨てた分です。
わが家は4人家族なので、普段は大袋を買っても週の途中で消えていきます。ただ、夫と子どもたちが出かけて一人分だけ作る日があると、この難しさがよく分かります。半玉のキャベツが冷蔵庫でしなびていくスピードは、人数が減るほど速く感じられるものです。
だから一人分の献立は「安い食材を探す」より先に、買った食材を7日以内に必ず使い切る道筋を決めるところから組みます。今回の1週間も、その順番で作りました。一人暮らしの食費全体の目安や、月いくらに収まるかという話は一人暮らしの食費の目安と内訳のほうで詳しく書いていますので、あわせて読んでみてください。


月曜から日曜までの献立
実際に組んだ1週間です。自炊するのは5日、残り2日は最初から作らない日にしています。
| 曜日 | 主菜 | 副菜・添え |
|---|---|---|
| 月 | 鶏むねの照り焼き | にんじんしりしり/ごはん |
| 火 | 豚こまと玉ねぎの生姜焼き | キャベツの塩昆布あえ/みそ汁 |
| 水 | 麻婆豆腐風(豚こま+豆腐) | もやしのナムル/ごはん |
| 木 | 自炊しない日 | — |
| 金 | 鶏むねと野菜のうどん | 納豆 |
| 土 | ツナと卵のチャーハン | しめじのスープ |
| 日 | 自炊しない日(+翌週の作り置き) | — |
買ったのは鶏むね肉2枚・豚こま300g・卵1パック・豆腐3丁・もやし3袋・キャベツ半玉・にんじん3本・玉ねぎ3個・しめじ2袋・ツナ缶3個・納豆3パック・冷凍うどん3玉と、牛乳や調味料の補充分。米の1週間分を含めて食材費は4,300円ほどでした。価格は地域や時期で動くので、同じ買い物でも数百円は上下します。
ポイントは、鶏むね2枚を月曜と金曜に、豚こま300gを火曜と水曜に分けていること。1回の調理で1パックを使い切ろうとせず、最初から2回分として買い、片方はその日のうちに下味をつけて冷凍します。にんじん3本・キャベツ半玉は下の作り置きで前半に片づける担当です。
作り置き2品で回す
一人分で作り置きを5品も6品も作ると、後半に飽きて結局残ります。作るのは2品だけ。今回はにんじんしりしり(にんじん2本+卵1個)と、キャベツの塩昆布あえ(キャベツ1/4玉)にしました。どちらも日曜の夜に20分ほどで作れます。
スライサーを使えば3分ほど。手を切りやすいので、最後の一片は無理に削らず刻んでしまいます。
にんじんのβ-カロテンは脂溶性なので、油と一緒に炒めると吸収がよくなります。塩とめんつゆで薄めに味付け。
ざく切りにして塩をひとつまみ、塩昆布とごま油少々。もんで10分置けばできあがり。
にんじんしりしりは3〜4日、塩昆布あえは2〜3日で食べきります。作った日を容器にメモしておくと迷いません。
この2品があると、月曜と火曜の副菜を考えずに済みます。平日の夜に「あと一品どうしよう」で立ち止まらないことが、一人分の自炊を続けるうえでいちばん効きました。
米だけは先に炊いておく
一人分の自炊が止まるのは、たいてい「ごはんが炊けていない」瞬間です。おかずは10分で作れても、米は炊飯に1時間近くかかる。そこで米は3合まとめて炊いて、茶碗1杯分ずつ冷凍しておきます。3合で6食分、ちょうど1週間の自炊5日分と土曜のチャーハン用がまかなえます。
炊きたてを熱いうちにラップで平たく包み、粗熱が取れたら冷凍室へ。平たくするのは解凍ムラを防ぐためで、丸く握ると中心が冷たいまま残ります。電子レンジで2分ほど温めれば、炊きたてに近い状態に戻ります。
ごはんさえあれば、卵と納豆だけの日も「自炊した日」として成立します。


使い切れないときは冷凍に逃がす
それでも余ります。木曜あたりに、水曜に使いきれなかった豆腐や、しなび始めたキャベツが残る。ここで無理に消費メニューを考えると献立が崩れるので、傷む前に冷凍室へ移してしまいます。
冷凍しても味が落ちにくいのは、きのこ類・油揚げ・ねぎ・しょうが・下味をつけた肉です。しめじは石づきを取ってほぐし、袋のまま冷凍すればうま味が出やすくなります。玉ねぎはくし形に切って冷凍しておけば、みそ汁にそのまま入れられます。逆に、豆腐と葉物とじゃがいもは食感が大きく変わるので、冷凍向きではありません。豆腐が余ったら、その日のうちにみそ汁に落としてしまうほうが確実です。
冷凍で気をつけていること
小分けにして平たく、空気を抜いて包む(霜がつくと味が落ちます)
袋に中身と日付を書く。一人分だと「いつのか分からない袋」が増えがちです
目安は2〜3週間。それ以上は冷凍室の肥やしになります
冷凍は保存ではなく「時間稼ぎ」だと考えると使いやすくなります。永久に取っておく場所ではなく、来週の自分に3食分渡しておく引き出しです。
自炊しない日を決めておく
この献立で木曜と日曜を空けているのは、疲れた日の予備ではありません。自炊しない日を先に2日決めるところから1週間を組んでいます。順番が逆だと、「今日は作れなかった」という失敗の記録になってしまうからです。
7日すべて自炊する前提で買い物をすると、崩れた日の食材がそのまま余ります。一人分は特にそうで、2日ぶんの余りは週末の献立をまるごと押し出してしまう。最初から5日分しか買わなければ、外で食べた日も冷蔵庫は無傷のままです。
金額の面でも、一人暮らしの自炊は「作れば作るほど安い」とは限りません。調味料の初期費用や光熱費、そして食材を余らせるリスクを入れると、週2日は惣菜や外食に振ったほうが結果的に落ち着く、というのが実際に手を動かしてみての感覚です。このあたりは自炊は本当に節約になるのかを検証した記事で数字を並べていますので、判断の材料にしてみてください。
ここまでやらなくてもいい、という線引きもひとつ。作り置きが面倒な週は、にんじんしりしりだけ作って、キャベツはちぎってドレッシングをかけるだけで十分です。2品が1品になっても、献立は回ります。無理のない範囲で続けてみてくださいね。
まとめ|前回・次回
一人分の1週間は、安い食材を探すより「5日分だけ買って、2品の作り置きと冷凍ごはんで回す」と決めたほうが早く落ち着きました。食材費4,300円は特別に切り詰めた数字ではなく、余らせないように組んだ結果です。



一人分の献立を組んでみて、自分が一人暮らしだった頃に毎週キャベツを傷ませていた理由がやっと分かりました。買い方が悪かっただけでした。
前回は二人暮らしの1週間献立|食材費7,000円台と余らせない使い切りで、半分ずつ使う食材の組み方を扱いました。次回は今週の節約献立・第6回に続きます。
掲載した食材の価格は執筆時点・2026年8月のもので、地域や店舗によって変わります。








