秋冬の献立は、春夏よりずっと組みやすくなります。白菜と大根が一年で一番使いやすい時期に入り、鍋にも煮物にも汁物にも回せるからです。この記事では、中学3年生の息子と小学3年生の娘がいる4人家族の月曜から日曜までの実際の献立を、食材費11,900円で組んだ記録として公開します。鍋を週2回入れる理由、日曜の作り置き、そして光熱費が上がる季節にガス代を無駄にしない火の使い方までまとめました。
さき今週は白菜1玉を、最後の一枚まで使い切れました。
秋冬は鍋と煮込みで一気に楽になる
春夏の献立は「火を使う時間をどう減らすか」が中心でした(前回の春夏の1週間献立は、まさにそこが軸でした)。秋冬はその逆で、火を使うこと自体が食卓の役に立ちます。煮込めば煮込むほど部屋が暖まり、鍋なら食卓に運んだあとも温かいままです。
献立づくりの面でも、秋冬は圧倒的に楽です。白菜・大根・にんじん・じゃがいも・玉ねぎ・きのこ——この6つがそろえば、鍋・煮物・汁物・カレーまで全部つながります。しかも日持ちする野菜ばかりなので、週の後半に「野菜がしなびて使えない」という失敗が起きにくい。春夏はきゅうりやレタスが数日で傷んで、週末に慌てて使い切る日がありましたが、秋冬はその心配がほとんどありません。
そのうえで、わが家がこの季節に決めているルールがひとつだけあります。鍋を週2回、火曜と土曜に入れることです。鍋は献立を考えなくていい日であり、白菜と豆腐ときのこを一気に減らせる日でもあります。連続させると飽きるので、間を3日あけて味の系統を変える。これだけで1週間の組み立てが半分決まります。
秋冬は「安い野菜」ではなく「日持ちする野菜」を軸に組むと、廃棄が減って結果的に食費が下がります。


月曜から日曜までの献立
実際の1週間です。主菜1つ+副菜1〜2つ+汁物という型は、シリーズを通して変えていません。
| 曜日 | 主菜 | 副菜・汁物 |
|---|---|---|
| 月 | 鶏もも肉と大根のこっくり煮 | 白菜の浅漬け/豆腐とわかめの味噌汁 |
| 火 | 豚バラと白菜のミルフィーユ鍋 | 〆はうどん |
| 水 | 鮭のちゃんちゃん焼き | ほうれん草のおひたし/大根の味噌汁 |
| 木 | 麻婆豆腐 | 春雨サラダ/中華風スープ |
| 金 | 鶏の唐揚げ(下味冷凍) | 豚汁(具だくさん) |
| 土 | キムチ鍋 | 〆はラーメン |
| 日 | 具だくさんカレー | 千切りキャベツ/ゆで卵 |
この週の食材費は11,900円でした。前回の春夏の週が11,400円だったので、500円ほど上がっています。理由ははっきりしていて、鍋の日に豚バラと豆腐ときのこをまとめて買っているぶんと、汁物の回数が増えて味噌と出汁の消費が早いことです。逆に、そうめんやサラダで済ませる日がないので、外食に逃げる日が減りました。
金曜に唐揚げを持ってきているのは、週末前に子どもたちのテンションが上がる日を作るためです。中3の息子は部活と塾で帰りが遅く、金曜だけは家族全員がそろいます。揚げ物は光熱費も油代もかかるので、揚げ物は週1回までと決めています。
鍋を2回入れて材料を使い切る
鍋を2回入れる最大の利点は、白菜1玉を使い切れることです。白菜は丸ごと買うと1玉あたり2〜3人前の鍋を2回分は軽く作れる量になります。ところが半玉で買うと割高で、しかも結局使い切れずに冷蔵庫の下段でしなびる。わが家は何年もこれを繰り返して、「丸ごと買って、鍋2回で計画的に減らす」に落ち着きました。
使う順番も決めています。外側の大きな葉は火曜のミルフィーユ鍋へ。真ん中のやわらかい部分は月曜の浅漬けと水曜の炒めものへ。芯に近い硬いところは土曜のキムチ鍋で最後まで煮る。外側から使って、芯を最後の鍋に回す——この順番を守るだけで、捨てる部分がほぼゼロになります。
豆腐ときのこも同じ考え方です。豆腐は火曜の鍋、木曜の麻婆豆腐、そして月曜の味噌汁に分けて使います。しめじやえのきは鍋2回と豚汁で消えます。鍋を「余りものを片づける日」ではなく、買う前から使い道を決めておく日として置いておくのがコツです。
味の系統は、火曜がだし・ポン酢のあっさり、土曜がキムチのピリ辛。子どもが小さいうちはキムチ鍋を辛くしすぎないよう、キムチは煮込みの途中で足して取り分けています。同じ「鍋」でも、この2つなら週内で飽きません。
週末に作り置きしておく
日曜の午後、1時間ほどで次の3つを作ります。多すぎると平日に食べきれず、少なすぎると意味がないので、この量に落ち着きました。
大根1本を輪切りにして、米のとぎ汁で15分ほど下ゆでします。半分は月曜の鶏大根に、残りは味噌汁と豚汁に回します。下ゆでだけしておくと、平日の煮込み時間が半分になります。
金曜の唐揚げ用に、鶏もも肉を切って醤油・酒・にんにく・しょうがで下味をつけ、保存袋のまま冷凍します。金曜の朝に冷蔵庫へ移せば、帰宅後は粉をまぶして揚げるだけです。
にんじんと、大根の皮を細切りにしてきんぴらにします。副菜が足りない日の埋め合わせ用で、水曜と木曜のお弁当にも入ります。
作り置きは「おかずを全部先に作る」と考えると続きません。わが家がやっているのは、平日の調理時間を削るための下ごしらえだけです。完成したおかずを大量に作った週は、木曜あたりで家族が飽きて残りました。下ごしらえ止まりにすると、平日の味付けを変えられるので飽きません。
日曜の1時間が取れない週もあります。そういう週は大根の下ゆでだけやって、あとは諦めています。3つ全部やらないと崩れる仕組みにはしないでくださいね。


根菜と白菜を無駄なく使う
秋冬の食材は、皮や芯まで使えるのが強みです。大根の皮はきんぴらに、大根の葉が付いていれば刻んで塩もみしてごはんのお供に。にんじんの皮は薄くむいて味噌汁に入れてしまいます。これは節約というより、単純に捨てる手間が省けるからやっています。
保存は野菜ごとに分けます。白菜は丸ごとなら新聞紙に包んで、切り口を下にして冷暗所に立てておけば2週間はもちます。切ってしまったらラップで密着させて冷蔵庫の野菜室へ。大根は葉を切り落とすのが最優先です。葉を付けたままにすると、根の水分が葉に吸い上げられてスカスカになります。じゃがいもと玉ねぎは常温で、風通しのいいところに置いておきます。
根菜が余りそうなときの逃げ道
大根とにんじんが週末に残ったら、すべて豚汁に入れてしまいます。豚汁は具の種類が多いほどおいしくなるので、余り野菜の受け皿として最強です。ごぼう・こんにゃく・里いもが残っていれば全部入れて構いません。
それでも野菜の相場が高い年はあります。天候不順で白菜や大根が例年の1.5倍近くになる冬は珍しくありません。そういうときに頼りになるのが、価格が天候に左右されにくい食材です。もやし・豆腐・きのこ・卵は、野菜が高い週の食卓を支えてくれます。もやしの使い方はもやしを主役にする食材の使い方で詳しくまとめているので、白菜が高い週はそちらも合わせて読んでみてください。
買い物の前に、冷蔵庫の白菜と大根が「あと何日分あるか」を確認してから店に行くと、二重買いが防げます。
光熱費が上がる季節の食卓
秋冬の献立を考えるうえで、食費だけを見ていると片手落ちになります。煮込みも鍋も揚げ物も、ガス代と電気代を使うからです。冬は暖房も加わるので、家全体の光熱費が一年で一番高い時期になります。
とはいえ、煮込み料理をやめる必要はまったくありません。わが家がやっているのは、火を使う時間をまとめることです。日曜に大根を下ゆでするのは、平日にコンロを長く使わないためでもあります。カレーや豚汁のように大鍋で作るものは、一度に多めに作って翌日の朝食や弁当に回す。同じ火で二度おいしい献立を組むと、光熱費の増え方はかなり抑えられます。
鍋の日はもうひとつ利点があります。卓上で煮ながら食べるので、キッチンのコンロを使う時間がほぼゼロになること。そして食卓に湯気が上がっているぶん、暖房の設定温度を1度下げても寒く感じにくいことです。鍋を週2回入れるのは、献立の都合だけでなくここも理由になっています。
鍋の日は洗い物が鍋と取り皿だけで済むので、お湯を使う時間も短くなります。
冬の電気代そのものをどう下げるかは、献立とは別の話になります。暖房の使い方や契約プランの見直しについては冬の電気代を下げる方法にまとめました。料金プランは各社が改定するため、内容は執筆時点のものとして読んでいただき、最終的な条件はお使いの電力会社の公式情報で確認してください。
まとめ|前回・次回
秋冬の1週間は、白菜1玉と大根1本をどう配るかで大枠が決まります。鍋を火曜と土曜に置いて、外側の葉から芯に向かって使い、日曜は下ごしらえだけしておく。この型で、4人家族の食材費は11,900円に収まりました。金額そのものより、週の終わりに野菜室が空になっていることのほうが、私にとっては手応えのある結果です。
全部を一度に真似する必要はありません。まずは鍋の日を週1回、曜日を決めて置いてみてください。それだけで献立を考える回数が週7回から6回に減ります。減った1回ぶんの余裕が、次の週の買い物を落ち着かせてくれますよ。
前回の春夏の1週間献立|きゅうり高値の年でも食材費11,400円で回した4人家族の1週間では、暑い時期に火を使う時間を減らす順番をまとめています。季節をまたいで読むと、同じ4人家族でも野菜の顔ぶれがどれだけ入れ替わるかが見えるはずです。次回の第10回はこちらで公開します。



冬は台所に立つのが苦じゃないので、実は一年で一番献立が楽しい季節です。








