毎日「今日なに作ろう」で立ち止まっていた頃と、一週間分を日曜に決めるようになってからでは、わが家の食費ははっきり変わりました。この記事では、献立を組む順番と買い物のまとめ方、そして家族構成や予算に合わせた献立の探し方までを一本にまとめます。『今週の節約献立』シリーズの第1回として、まずは土台になる考え方からいきますね。
さき献立を「決める日」を作っただけで、平日の夕方がずいぶんラクになりました。
一週間分を先に決めると食費は下がる
献立を決めずに買い物へ行くと、その日のうちに使う分だけを見て、なんとなく安いものをカゴに入れることになります。ところが帰宅すると、肉はあるのに合わせる野菜がない、味付けが昨日と同じになる、という状態になりがちです。足りないものを買い足しにもう一度スーパーへ行き、そのついでにお菓子や惣菜が増える——ここが一番お金の漏れるところでした。
わが家は中学3年の息子と小学3年の娘がいる4人家族で、食べる量はそれなりです。それでも一週間分を先に決めるようにしてから、買い物の回数が週3〜4回から週1回+補充1回に減りました。金額でいうと、月の食費が5万円台後半から4万円台後半に落ち着いています。特別に安い店へ通ったわけでも、量を減らしたわけでもありません。減ったのは「予定になかった買い物」だけです。
もうひとつの効果は、食材を使い切れることです。冷蔵庫の奥でしなびた小松菜を捨てる回数が減るだけでも、体感としてはかなり大きい。献立を先に決めるのは、我慢を増やす節約ではなく、捨てる分と迷う時間を減らす節約です。
一週間献立の効果は「安く買う」ことではなく、買いすぎと使い残しを止めることにあります。


献立を組む順番
献立表を作ろうとして挫折する人の多くは、月曜の朝食から順に埋めようとしています。私も最初はそうでした。うまくいったのは、順番を変えてからです。主菜だけを先に決め、次に食材の重なりを作り、最後に空白を残す。この3ステップなら、慣れれば15分ほどで組み上がります。
月〜金の夕食の主菜だけを、肉・魚・卵や豆腐でばらけるように5つ選びます。日曜に紙の裏へ書き出すだけでかまいません。
5つの主菜を見比べて、同じ野菜・同じ肉が2〜3日にまたがるように入れ替えます。ここで買う量がまとまります。
1日は何も決めずに空けておきます。予定がずれた分をここで吸収します。
主菜を5つ決める
決めるのは主菜だけです。副菜と汁物は当日の残り野菜で組めるので、先に決めても無駄になります。選ぶときの目安は、肉2日・魚1日・卵か豆腐など軽めの日1日・残り1日は麺かどんぶりのような一皿もの。この配分にしておくと、たんぱく質が偏らず、値段も高い日と安い日が入り混じって週の合計が落ち着きます。
たとえば今週のわが家は、鶏もも肉の照り焼き、豚こまと野菜の味噌炒め、鮭のホイル焼き、麻婆豆腐、焼きうどんの5つでした。凝ったものは入っていません。一週間献立で大事なのは、レパートリーの多さではなく、味付けが3日続けて醤油味にならないことです。醤油・味噌・塩・トマト系・中華、この5系統から1つずつ選ぶと考えると、迷う時間がぐっと短くなりますよ。
土日は最初から書きません。予定が読めない日を無理に埋めると、その1日が崩れただけで献立表ごと信用できなくなります。埋めるのは平日5日で十分です。
使い回す食材を決める
主菜が5つそろったら、次は食材の重なりを意図的に作ります。キャベツ4分の1玉を一度に使い切るのは大変ですが、月曜に炒め物、水曜に味噌汁、金曜に焼きうどんへ入れると決めておけば、丸ごと1玉を買っても最後まで使えます。丸ごとで買ったほうが100gあたりは安いので、使い切る計画がある人だけが大袋・1玉買いの得を取れるわけです。
わが家で使い回しの軸にしているのは、キャベツ・にんじん・玉ねぎ・きのこ類・豆腐あたりです。日持ちがして、和洋中どれにも入れられるものが向いています。逆に、もやしや葉物は水曜までに使い切る前提で買います。日持ちの短いものを週の前半、長いものを後半に配置するだけで、傷ませる量は目に見えて減ります。
肉も同じ考え方です。豚こま500gを一度に買い、300gは月曜の炒め物、200gは金曜のうどん用に小分けして冷凍する。買った日に分けておくのがコツで、これを翌日に回すと、たいてい忘れます。
買い物から帰ったら、その場で肉を使う日ごとに小分けして冷凍する。ここだけは当日中に済ませてください。
何も作らない余白の日をつくる
5日分の主菜を決めたら、そのうち1日は「余白の日」として扱います。作らない日、ではなく、その日に残っている食材で適当に済ませる日という意味です。わが家は木曜をそこに充てています。部活の試合前で息子の帰りが遅い週もあれば、私の仕事が立て込む週もあるので、動かせる日が1日あると全体が崩れません。
この日にやることは決まっていて、半端に残った野菜を全部入れた具だくさん味噌汁か、冷凍してあるご飯でチャーハンです。それも面倒な日は、素直に総菜を買います。一週間の献立を守り切ることが目的ではなく、平日の夕方に迷わないことが目的なので、ここは緩めておいて大丈夫です。
ここまでやらなくていいこと
・朝食と昼食まで一週間分決める(毎日同じで問題ありません)
・副菜を献立表に書き込む(当日の残り野菜で十分です)
・きれいな献立表を作る(紙の裏書きで機能します)
買い物は週1回にまとめる
献立が決まったら、必要なものを書き出して、買い物は週1回にまとめます。わが家は日曜の午前に本番の買い物をして、水曜あたりに牛乳・パン・豆腐などを補充する程度。スーパーに行く回数が減るほど、予定外の出費は減ります。これは意志の強さの問題ではなく、単純に誘惑に触れる回数の問題です。
まとめ買いのときは、献立から逆算した買い物リストを持っていきます。リストは主菜の順ではなく、店内を回る順(野菜→肉魚→豆腐乳製品→乾物)で書くと、行ったり来たりがなくなって滞在時間も短くなります。滞在時間が短いほど余計なものを見ないので、これも効きます。
まとめ買いの分量の決め方、冷凍と保存の順番、実際の買い物リストの作り方は、次回の記事で細かく扱います。


家族構成別の1週間献立
同じ「一週間献立」でも、何人分を作るかで組み方はかなり変わります。人数が少ないほど食材を使い切りにくく、多いほど一度に作る量と保存場所が問題になります。目安として、わが家の感覚では次のくらいの違いがあります。
| 世帯 | つまずきやすい点 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 4人家族 | 量が読みにくく作りすぎる | 主菜の分量を先に固定する |
| 二人暮らし | 野菜1玉を使い切れない | 2日連続で同じ食材を使う |
| 一人暮らし | 作る気力が続かない | 作り置きより冷凍と一皿もの |
| 育ち盛りあり | 主食と肉の量が足りない | 米と豆腐でかさを足す |
シリーズでは、それぞれのパターンで実際に一週間を組んだ記録を1本ずつ出していきます。ご自分の家に近いものから読んでみてください。
第3回 4人家族の1週間
夫婦と子ども2人、わが家そのままの一週間です。日曜のまとめ買いのレシートと、月曜から金曜までの主菜・副菜、実際にかかった金額を出します。中学生と小学生では食べる量が違うので、同じ鍋から取り分けても足りる日と足りない日があります。そのあたりの調整もそのまま載せます。
第4回 二人暮らしの1週間
夫婦二人、あるいは親子二人の世帯向けです。二人分は一番食材が余りやすく、スーパーの標準的な売り単位と噛み合いません。同じ食材を2日連続で違う味付けに回す組み方を中心に紹介します。
第5回 一人暮らしの1週間
一人分は、作り置きを完璧にやろうとすると続きません。半分は自炊、半分は冷凍と簡単な一皿もの、という前提で組んだ一週間です。外食や総菜を敵にしない配分にしています。
第6回 育ち盛りがいる家の1週間
中高生、特に運動部の子がいる家庭向けです。主菜を増やすより主食とかさ増し食材で対応したほうが、金額も手間も抑えられます。息子の部活が本格化してからの、わが家の実践がそのまま材料です。
予算と季節で変える
献立の組み方の骨格は同じでも、使える金額と季節によって中身は入れ替わります。夏に煮込みを並べても食べてもらえませんし、冬に冷たい副菜が続くと物足りない。旬の野菜は味も値段も有利なので、季節に沿わせるだけで実質的な節約になります。
第7回 予算1万円の1週間
4人家族で一週間1万円に収めた回です。何を諦めて何を残したか、どこが限界だったかまで書きます。極端に切り詰めた献立ではなく、続けられる線の1万円です。
第8回 春夏の1週間
気温が上がると、火を使う時間そのものを減らしたくなります。傷みやすい季節なので、作り置きの扱いも変わります。春夏向けの組み替え方をまとめます。
第9回 秋冬の1週間
鍋と煮込みが使えるぶん、秋冬は一週間献立を組みやすい季節です。白菜や大根を1本買っても回しやすく、光熱費の面でも一度にまとめて作るほうが有利になります。
第10回 忙しい週の時短献立
行事や仕事が重なって、平日に手をかけられない週があります。電子レンジと冷凍を前提に、調理時間を1食15分以内に収めた一週間です。
献立が思いつかない日の逃げ道
一週間分を決めたはずなのに、当日になると気力がない日があります。そういう日のために、わが家には最初から逃げ道を3つ用意してあります。ひとつは冷凍ご飯とキムチと卵のチャーハン、ふたつめは残り野菜を全部入れた豚汁、みっつめは総菜を買うことです。
逃げ道を先に決めておくと、決められないまま時間だけが過ぎることがなくなります。献立が続かない一番の原因は品数でも予算でもなく、決めきれない日に判断を丸投げできる先がないことでした。総菜を買った日を失敗としないでください。週のうち1〜2回なら、外食に流れるより結果的に安く済みます。
基本の味付けと定番おかずの引き出しを増やしておくと、逃げ道の質そのものが上がります。調味料の割合と作り方の型は、こちらにまとめてあります。
まとめ|次回・第2回はまとめ買いのコツ
一週間の献立は、主菜を5つ決めて、使い回す食材で束ねて、1日空けておく。この3つだけで形になります。副菜も朝食も決めなくていいので、日曜の15分で終わります。献立を先に決める目的は、安く買うことではなく、買いすぎと迷いを減らすことです。まずは今週の平日5日分、主菜だけ書き出すところから試してみてくださいね。
次回は、決めた献立をどう買い物に落とし込むかを扱います。まとめ買いの分量、リストの書き方、帰宅後の下ごしらえと冷凍まで、日曜午前のわが家の流れをそのまま書きます。



正直なところ、食費が下がったことよりも、夕方に冷蔵庫の前で立ち尽くさなくなったことのほうが嬉しかったです。








